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2012
0214
Tue
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◆色とりどりの想い溢れる街◆






本文は追記からどぞどぞ










◆色とりどりの想い溢れる街◆






ぐぐっと両の拳を握り締めるのと同時に口を真一文字に固く引き結び、妙に気合いが入った様子の翔太が、
北幌の商店街にある年頃の女の子向けの雑貨屋に足を踏み入れたのは、ある冬の日の午後のことだった。



今朝から妙にソワソワと緊張を隠せないでいたこの日は、
翔太にとって唯一無二の存在である可愛い可愛い俺の爽子(自称)のために、バレンタインのプレゼント選びに街へやってきた次第である。


ありったけの勇気を振り絞って単身乗り込んだのは、乙女チック一色なティーン向けの雑貨屋だったのだが、
そこは翔太の予想通りに、男性客にとっては実にアウェイな空間であった。


店内に足を踏み入れたとたんに、目の前にびっしりと隙間無く広がる乙女チックな雑貨たち。

右を剥けば、ピンク色の木製棚に並べられている天使の羽根を付けたテディベアが何体も並び、

左を剥けば、ほんの少しも汚れが見当たらないきらびやかなガラスケースの中で飾られている、キラキラと煌めくチェーンに通された美しい宝石たち。



“……ああ、心無しか先ほどから周りの女性客の視線が痛いような……。”




……これはどうしたことだろう。入店して5分も経たないうちに、すでに一刻も早く回れ右して逃げ帰りたい気持ちでいっぱいなのだが……。



あと一歩で気持ちが折れそうになりながらも、なんとか自分を奮い立たせて、何かめぼしいものは無いかと一つ一つの商品に目を凝らす。


カラフルなパステルカラーのぬいぐるみ、お洒落なブランド物のバッグに財布、甘い芳香が漂う可愛らしいボトルの香水瓶や、細やかな装飾が施された光輝くアクセサリーたち……、



次々と目に映るどれもこれもが、世の女の子たちがプレゼントされたら喜びそうなものばかりに思えた。


けれど、彼の世界中でいちばん大事な愛しいあの子のことだから、
たとえ翔太がまかり間違って、そのへんの道端に生えていた草花をプレゼントしたとしても、


「ありがとう。風早くんがくれたものなら、なんでも嬉しいよ」


…なんて大真面目に言い出して、きっと、あの切り長の黒真珠みたいな瞳を涙で潤ませながら、幸せそうに笑ってくれるに違いない。


そんな可愛らしく純粋な心の持ち主である彼女だからこそ、翔太はたくさんの品物の中でただひとつ、
爽子が一番喜んでくれる贈り物を探して、特別な気持ちを込めてプレゼントしたいと考えていた。



「…なににしようかなぁ……」





この上なくファンシーな雰囲気でいっぱいの雑貨屋、女性客であふれるアクセサリーコーナーの一角で、一際目立っている爽やかな風貌のイケメン高校生男子。

周囲の女性客の好奇の目に晒されながらも、結局は小一時間ほど粘って贈り物を選んでいた、

そよ風を華麗に着こなし、爽やかオーラ100%を身に纏う彼が、ようやく会計を済ませて綺麗にラッピングされた小包を片手に店の外に現れた頃には、

もうすでに北幌の空には澄んだ空気と共に夜の闇が広がっていて、
真っ黒なビロードに包まれた無数の星達が、漆黒の夜空にキラキラと瞬いていたのだった。






…Next◆7本の薔薇を君に送ります◆



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