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2012
0213
Mon
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◆チョコレートに溶かす恋心◆






本文は追記からどぞどぞ~



◆ チョコレートに溶かす恋心 ◆




黒沼家のキッチンに佇む爽子は、湯煎に溶いていたチョコを混ぜる手をふと止めて、
目の前の小さな窓から、漆黒に色づく闇の空を見上げた。

北海道の2月は、一年でいちばんに冷え込む時期だからなのか、昨日から深々と降り続けるホワイトスノーが、
少しずつふわりふわりと静かに窓枠の淵に降り積もっている。




「…そうだ。焼き上がったら、仕上げに粉砂糖をまぶしてみようかな」



今年の風早へのバレンタインは、フォンダンショコラを作ることに決めていた。
一か月も前から、地元の街で一番大きな本屋さんに何度も出向き、
種類豊富なバレンタインチョコのレシピ本を何冊も物色して、悩みに悩んでようやく決めたのだ。

風早への特別な想いを込めたチョコは甘さ控えめの大人な味の「フォンダンショコラ」を、
千鶴やあやね達へのチョコは、簡単に出来て美味しく作れる「チョコブラウニー」を手作りする計画だ。





去年のバレンタインは、去年のリベンジだとばかりに気負いすぎて、肩に力が入ってしまったのか、
風早のために心を込めて作ったガトーショコラは、焼き上がった時に少しすぼんでしまっていたのを思い出す。


当日のふたりきりの放課後、学校からの帰り道に遠慮がちにラッピングバッグを差し出して、

「ごめんね…!緊張してしまったからか、少し失敗しちゃったの…」

と申し訳なさそうに眉をしかめてそう言うと、風早はそんな爽子の残念な気持ちを一瞬で吹き飛ばすような朗らかな笑顔で、
嬉しさいっぱいに顔を綻ばせて見せると、ニコニコしながら爽子の手からチョコを受け取ってくれた。

「そんなの、ぜんぜん大丈夫!黒沼が俺のために一生懸命作ってくれたチョコなんだから、どんな形のチョコだって、無条件で嬉しいに決まってるじゃん!」

素直にそう言って爽子を励ましてくれた風早の心遣いが、じんと胸に沁みてきて、爽子はポロポロと涙を流してしまったのだった。








「………どうか今年こそは、美味しく焼き上がってね」


オーブンの中で、ゆっくりじわじわと焼かれていく軽く膨らんだブラウン色の生地を見つめながら、

爽子は胸の前で指をぎゅっと組んで、神様に切実な思いを捧げていた。








…Next◆色とりどりの想い溢れる街◆
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