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2012
0106
Fri
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【 ムーンライト(または“きみが眠るための音楽”) 】


風早と爽子が結婚して、6年くらい経った頃のお話。

ふたりの一人娘の「さくらちゃん」が5歳の可愛い盛りで、翔太パパはメロメロですw


そんな翔太パパと、大のお父さんっ子なさくらちゃんのお話です。


ちょっと短めかな?
SS的なかんじで読んでください~(´∇`*)




本編は追記から。














「翔太くん、さくらちゃん寝かしつけてもらっていいかな?」


晩ごはんを食べ終わり、お風呂に入ってサッパリした様子の夫と一人娘の背中に声を掛けたのは、台所で食器を洗う爽子だった。


「ん、りょーかい。…さくらー、パパと歯みがきしてこよっか」


「うん!」


柔軟剤がよく効いた、ふわふわのタオルでわしゃわしゃと頭を拭いていたさくらが、ニコーッと振り向いた。


翔太に連れられて、さくらはトコトコと洗面所に向かう。

洗面台の横に並べられた、三本の歯ブラシのうち、青い色の歯ブラシと、子供用サイズの小さなピンク色の歯ブラシをそれぞれ手に取った。
ちなみに、青い色の歯ブラシの隣にあるのは、爽子のものである赤い色の歯ブラシである。


「終わったら、パパが仕上げ磨きしてあげるからね」

「はーい!」



ふたり並んで歯みがきタイムを終えて、さくらの仕上げ磨きも済むと、ふわあぁ、と大きなあくびを繰り返して目をこすっているさくらを連れて、寝室に向かう。


さくらの枕は、夫婦の枕に挟まれて大きなダブルベッドの真ん中にあった。

さくらがふかふかの掛け布団に潜り込んで、隣に翔太が腕枕で自分の頭を支えながら、さくらの背中をポンポン、と優しく叩いている。


「パパ、あしたはきたほろのじぃじとばぁばのおうちにいくんでしょう?」


「うん。そうだよ。お昼ごはんは、龍のとこでラーメン食べてこようか」


「やったぁ!じゃあ、ちづちゃんのあかちゃんにもあえる?」


「会えるんじゃないかな。もう赤ちゃんもでっかくなってるだろうなー。さくらの方がお姉ちゃんだから、赤ちゃんと仲良く遊んであげてな」


「うん!さくら、赤ちゃんと遊ぶー」


ニッコニコとご機嫌な様子で何度も頷いていたさくらが、また一つ大きなあくびをしたのを見て、翔太は苦笑いしてしまった。


「…さ、もう寝ような。明日、さくらがお寝坊さんだったら、パパとママはさくらのこと置いてっちゃうぞ?」


「やーだーっ。さくら、ぜったいはやくおきるよっ!ぜったいだもんっ!」


「うん。わかった、わかった。そんじゃ、おやすみ」


「パパ、おやすみなさーい」




おやすみの挨拶をしてから、ほんの数分で健やかな寝息が聞こえてきた。


安らかな寝顔は、どこか母親の爽子の面影に似ている。
翔太はさくらを起こしてしまわないように、そっと柔らかい頬に指先で触れると、艶やかな黒髪のおかっぱ頭を整えるようにサラリと撫でた。



「……おやすみ、さくら」








* * * * *





「……さくらちゃん、寝た?」


「うん。もうぐっすり。明日、北幌のじぃじとばぁばに会うんだ、って張り切ってたよ」


「ふふふ。ちづちゃんとこの赤ちゃんに会うのも楽しみにしてたものね」


「すっかりお姉ちゃん気取りだよ。いっぱい遊んであげるんだって、得意そうに笑ってた」



爽子が台所からマグカップを両手に持ってやってきて、居間のソファーに座る翔太の横に腰を下ろした。

片手に持っていた、ブルーのストライプ柄のマグカップを翔太に手渡し、自分は翔太の物とお揃いの柄の、赤いストライプ柄のマグカップに口を付けた。



「このコーヒー豆、前にあやねちゃんが旅行のお土産にくれたものなの」


「…へぇ。………ん、おいしーな」


「……うん、ほんと」



週末の深夜。夫婦は暖かいコーヒーを飲みながら、静寂に包まれた居間でぼんやりと微睡んでいた。
爽子がふと、隣の翔太に目を向けると、今週の仕事を無事に終えた翔太は、少し疲れた顔をしている。



「……翔太くん、眠たそうだね。もう寝てもいいんだよ?」


「……んー、眠いっちゃ眠いんだけど…。せっかく爽子とふたりきりの貴重な時間だし……」


そう言いながらも、頭をゆらゆら揺らしてウトウトと船を漕ぎ出した翔太の様子に、くすりと小さく笑って、爽子は翔太の手から飲み掛けのマグカップを手に取ると、テーブルに静かに置いた。



「……少し経ったら、起こしてあげるから」


ソファーの上に座ったまま、自分の両膝をポンポンと叩いて翔太を誘う。



「……膝枕、してくれんの?」



翔太の瞳がキラキラと輝いて、嬉しそうに笑いながら少しくせっ毛の頭を爽子の膝に乗せた。



「……おやすみなさい、翔太くん」



優しく心地好い爽子の声が遠くの方に聞こえて、翔太はあっという間に夢の世界に旅立った。




カーテンの隙間から覗く月明かりが、薄暗い居間に線になってゆらゆらと映り込んでいる。



柔らかい翔太の黒髪を優しく撫でながら、爽子は幸せそうに小さく微笑んだ。









おわり


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