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2010
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【*桜花咲きそめにけり*】 *第十八幕* ※12/6追記

平安パロシリーズ第十八幕です。



この話どこに向かっていくんだろうw
書いてる私もわからないw
(自分の勘を信じるのみ…)

文中に出てくる蔵人所の官人の位などの話は、参考にしている「桜嵐恋絵巻」という文庫を参考にさせていただきました。
(以下、12/5追記文)
冒頭の(やたら堅っ苦しい)翔太の父が云々の文ですが、左大臣の人柄を描写するのにどうしても必要な設定箇所だったので、上記の文庫から複写させていただきました。
終始まるっと拝借したわけではないのですが、自分に都合のいいように言い訳めいたなんとなくな謝罪だけで、うやむや…というか"なあなあ"に済ませちゃってたのに後悔してまして…。

勝手ながら前書きを一部修正させていただきました。
ご了承くださいませ。





では、本編は追記から。














翔太がこの秋から蔵人(くろうど)の見習いである非蔵人として出仕を始めてから、早3週間が経った。

大臣の息子という立場のおかげで、蔵人の少将に任命したいという帝からの希望があったのだが、臨時に開かれた除目(じもく)で、左大臣の息子の出世を抑制したい右大臣派と、帝の信頼を得て勢いづきたい左大臣派の意見が真っ二つに別れてしまった。
いくら大臣の息子とはいえ、いきなりその位は高すぎるという意見と、帝の意向ならばそのようにすべきだという意見が対立したが、最終的には、従五位下(じゅごいげ)から始めるのが妥当だろう、ということで落ち着いた。
先例を無視して親馬鹿と思われたくなかった、翔太の父である左大臣が、遠慮して収まった格好になったのだ。



翔太は蔵人所の一間で、机の上に重ねられた膨大な数の文書に一つ一つ目を通し、仕分けしていく作業に追われていた。

翔太の傍らには乳兄弟である龍が作業を手伝っていた。



「…しかし、すごい量だな…今日中に終わるのか?」


「……やるしかないだろ」


黙々と手を動かしている龍が、目線を手元の書類から目を話さずに翔太に返事を返した。



それから二人は会話も交わすことなく、ひたすら仕分け作業に没頭し、気づけば空は夕焼け色に染まり、夕刻を知らせていた。



「…翔太、そろそろ上がれ。残りは明日やればいい」


切りのいい所で手を止めた龍が、ポキポキと肩を鳴らしながら片手で首の辺りを揉みほぐしている。


翔太もがちがちに凝り固まった首の根元をぐるりと回して、両腕をうんと伸ばして伸びをした。



「…じゃあ、お言葉に甘えて。明日もよろしく頼むな」


「…ああ。…それと、」


「…うん?」




「…千鶴に、よろしく伝えてくれ」




爽子姫に遣える女房の一人である千鶴は、龍の幼馴染みである。

ふと目元を柔らかく緩めた龍を見やり、にこりと微笑むと、翔太は片手を上げて部屋を出ていった。







御所を出て、爽子の屋敷へ向かおうと足を速める翔太の向かいから、見覚えのある公達が歩いてきた。


「…おや、誰かと思えば、噂の爽やかくんじゃないか。しばらくだったね」


相変わらずへらりと人の良さそうな笑顔を浮かべながら、片手をひらひらと振っている。


爽子との縁談の騒ぎで出会った以来、健人とは一度も顔を合わせたことがなかった。



「なにやら、出仕を始めたそうじゃないか。少将を任命されるなんて、大臣の息子は他とは違うね」


翔太が自分の父親のことで嫌味を言われるのが嫌いなのを知ってか知らずか、健人はにやりと不敵な笑みを浮かべたままだ。



「御所の中で会うこともあるかもしれないね。俺も蔵人として働いているから」

「…あぁ、そうかもな」


「爽子姫とは相変わらず仲良くやってるのかな?この頃は秋になってめっきり寒くなったから、人肌が暖かいものだよねぇ」


「………にやけ面を晒すな、気持ち悪い」



ひどく不快そうに顔を歪めて、翔太は踵を返してその場から立ち去ろうとした。

翔太の背中に、ふいに健人の静かな声が掛かる。




「……きみの、許嫁のことだけど」




何のことだかわからない、という顔で、翔太が振り向く。




「下手に期待させないでもらえるかな。爽子姫がいるなら、こっぴどく振ってもらって構わないんだ」


「……なんの話だ」


「…胡桃沢の大君だよ。親同士が決めた許嫁なんだろう?…最も、君はそんな気はさらさら無いんだろうけどね」


「…胡桃沢の姫には、以前に一度、婚約を丁重にお断りしているが」



翔太の返事を聞いて、健人はぱちくりと目を見開くと、呆れたように苦笑いを溢した。



「……変に意地っ張りだからなぁ、あの姫様は」


「…胡桃沢の姫のことを、知ってるのか?」


「…ずいぶん昔に、姫から直々に許嫁の婚約を解消された仲だよ」


「……そうだったのか」



翔太は心底驚いたようだった。
そして、健人が胡桃沢の姫のことを特別な感情で想っているということが、ひしひしと感じられた。



「……まぁ、そういうことだから」



健人が翔太の肩を軽くポンと叩いた。




「無いとは思うけど、梅姫様には手を出さないでくれな」



へらっといつもの笑みを浮かべて、健人は翔太とは逆方向の道を歩いていった。





「あの姫様は、俺のものだから」











第十九幕につづく
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2010/09/08(水) 17:07:36 | | edit
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