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2010
0825
Wed
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風早くんの恋人 ~ないしょのはなし~



ミニマム爽子シリーズの四話目です。


このシリーズなかなか終わらないww
そろそろ終わりに向けて話をまとめていこうと思います。




本編は追記から。

















翌日の早朝、爽子は風早のベッドの枕元に置かれた籠で目を覚ました。
買い物籠の中に手芸用の綿を敷き詰め、その上にシーツ代わりのハンカチを敷き、掛け布団にはタオル地のハンドタオルを代用した。

籠の中で身体を起こすと、すぐ近くに大きな風早の寝顔が見えた。


端正な顔立ちは、寝ているときでも変わらない。
スッと整った鼻筋と、凛々しいなだらかな眉。
くりっと愛嬌のある大きな黒目は、今は瞼の裏に隠れている。


爽子はぼおっと風早の寝顔を眺めながら、奇妙な小人生活が始まってかれこれ二日が経っていることに気付いた。


『……お父さんとお母さん、心配してるだろうなぁ…』


今日こそは家に帰らないと、いつまでもあやねの家に泊まらせてもらっていると誤魔化しているわけにもいかない。


家に帰るまでに、解決策が浮かんで無事に元の姿に戻れれば一番良いのだが、今のところは何も良い案が浮かんでいないので、それは期待できない。


『……どうすればいいんだろう……』


風早も爽子も、昨晩は遅くまで元の姿に戻れるための解決策を探していたが、一向に良い兆候は見られなかったのだ。


『……このまま、元の姿に戻れなかったらどうしよう……』


爽子の瞳にじわりと涙が浮かんで、ぽろぽろと白い頬に大粒の涙が伝っていく。



「…………黒沼、」




いつの間に目を覚ましていたのか、風早が優しい手つきで爽子を両手で抱き抱え、掌の上に乗せた。


人差し指で爽子の頬を濡らす涙を拭ってやると、そのまま長い黒髪をふわふわと撫で上げる。



「……泣かないで、黒沼」


掌に乗せた爽子を鼻先に近づけ、爽子の小さな頭にふわりとキスを落とす。



「…絶対、元に戻れるから」



優しく笑みを見せると、強い意志を示す黒目で爽子の顔を覗き込む。



「………大丈夫だよ」













「ちょっと、風早」



昼休みの二年D組の教室で、いつものように購買で昼食を調達して爽子に届けようと席を立った風早の後ろ姿に、あやねが声を掛けた。


「あんた、爽子のことなんか知らない?風邪引いて熱出したらしいけど、今日も学校来てないし」


ぎくり、と思わず肩が強張る風早の様子を不審に思いながらも、あやねは風早が何かを知っていると踏んで一気に畳み掛ける。


「あんたやっぱなんか隠してるでしょ?最近、休み時間の度にどっか消えるしさぁ。爽子となんか関係あんの?てか、爽子になんかあった?」


「…い、いや、あの…」


「爽子がどーかしたの?」

「…どーか、っていうか…あの…」


「なによ、はっきり言いなさいよ」


あやねの鋭い追求の目に耐えかねて、風早はそろりと目を反らした。




「……内緒の話なんだけど」


「…なに、いきなり改まって」


「……ちょっと、付いて来てくれる?」







多目的教室の扉が静かに開いて、廊下から風早とあやねが教室に入ってきた。



「……黒沼ー!」



爽子の姿を探してきょろきょろと辺りを見回していたあやねの足下で、もぞもぞと小さな影が動いたことに、あやねは気がつかなかった。




『……風早くん…!』




微かに、爽子の小さな声が聞こえてきた。
不思議に思い、首を傾げながらふと足下に目を向けたあやねは、かちんと固まった。




『………あやねちゃん、久しぶり………』




どこか恥ずかしそうにもじもじと体を縮こませながら、ミニマム爽子が苦笑いした。






「……………はぁっ!?」





多目的教室に、あやねのすっとんきょうな声が木霊した。








つづく!


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