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2010
0821
Sat
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風早くんの恋人 ~それまでのあらすじ~

ミニマム爽子シリーズの第3話です。
いつのまにやらシリーズ化してましたw
あれっwほんの小ネタのつもりだったのにw














勉強机の一番上の引き出しの少し開いた隙間から、ふわふわと湯気が上っているのを眺めながら、風早はこの事態の解決作を練っていた。


そもそも、爽子がこんな非日常な変身を遂げてしまったキッカケはというと…。

三日前の放課後に出会った、胡散臭い屋台の店主から購入したフォーチュンクッキーを爽子が食べてしまったことにある。


三日前の放課後、夕闇に照らされる歩道を二人並んで歩いていた。
ふと、寄り道をしていこうと提案したのは風早で、どこかのカフェでお茶でもしていこうかとのことだった。



「あれっ…なんだろう、あの屋台」


「え?なに?」



その怪しげな屋台を見つけたのは爽子だった。

いつもは通らない住宅街から一本外れた人気のない路地に、見慣れない屋台と中年の男性店主の姿がある。


「『ふしぎふしぎな、なんでも屋さん』…?」


屋台の屋根にペンキで書かれた看板には、そんな意味不明な店名が書かれていた。



「やぁ、そこのカップルさん。いい品物があるんだが、見てかないかい?」


ふいに、屋台の店主が話しかけてきた。
どう返せばいいやら困惑する二人をよそに、店主は強引に二人を屋台の前に引っ張り込んだ。



「ちょうど珍しい品を仕入れたところだったんだ。お嬢ちゃん、試してみるかい?」


店主は屋台のカウンターの一番目立つ所に並べられた、洋菓子が入った缶のようなものの蓋を開けた。

中には、香ばしく焼かれたいびつな形のクッキーがたくさん詰まっていた。



「ほれ、お嬢ちゃんにサービスだ。おっちゃんオススメのフォーチュンクッキー。試しに食ってみな!」


カッカッカッと愉快な笑い声を上げた店主に見送られて、二人は屋台を離れて帰路についた。


その日は、もともと風早の家で勉強会をする予定だったので、爽子は風早と一緒に風早家に招待されることになっていた。


風早家に着いて、二階の風早の自室で勉強会を初めて二時間が経った頃。

ふとフォーチュンクッキーの存在を思い出した爽子が、「これ、どうしよう…」と困り顔で、制服のスカートのポケットからティッシュにくるまれたクッキーを取り出した。


「食べてみれば?まあ、なんか怪しい屋台だったけど、まさか毒でも盛ってあるわけじゃあるまいし」


風早の言葉に、「そうだよね」と素直に納得した爽子は、クッキーを手に取るとぱくっと一口で口に頬張った。

ポリポリと小気味いい音を立てながらクッキーを食す爽子に、風早は「おいしい?」と訊く。
クッキーをごくんと飲み込んで「おいしいよ」と言った爽子に、よかったねと笑って、トイレに行くと席を立った。



数分後、自室に戻った風早は、部屋のドアを開けてパチクリと目を見開いた。



「……あれ?黒沼?」



先ほどまで、確かに自分の真向かいに座っていた爽子の姿が、忽然と消えていたのだ。


…トイレかな?…いやまさか、トイレは今さっきまで自分が行っていたのだから、彼女が行けるはずはないのだ。


爽子は何も言わずに、勝手に家に帰ってしまうような子ではないことを、風早はよく解っていた。

尚更、この事態を把握できずに半ばパニックになった風早の耳が、どこからか聞き慣れた声を捉えた。



『風早くん!』



それは、確かに爽子の声だった。
…ただ、不思議なことに肝心の爽子の姿がどこにも見当たらないのだ。



「…く、黒沼?…えっ?どこにいんの?」



キョロキョロと辺りを見回しても、爽子の姿は見えない。



『風早くん!ここ!ここだよー!』



よく聞いてみると、その爽子の声はなんとなくいつもより小さいように感じた。


ふと、爽子が先ほどまで座っていた座布団に目をやって、風早は仰天した。




『…か、風早くん…!』




座布団の上には、およそ10センチメートルくらいのミニマムサイズの爽子が、制服姿でちょこんと座っていたのだった。













「………そういえば、着ていた制服も一緒に小さくなったんだなぁ」



ますます不思議以外のなにものでもない。

机の引き出しの中で入浴中の爽子を見やりながら、風早は深い溜め息を吐くのだった。




「……ほんとに、どうしたもんかなぁ……」








つづく!
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