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2010
0817
Tue
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【 さわこ1/2 】 そのいち


平安パロ連載や風早くんの恋人など、ノルマを無視して自分の萌えに身を委ねますサーセン!



最近けしからん某スレに投下されてた「生き霊風早」の話から浮かんだ妄想。


また爽子がえらい目に遇ってますw
ほんとにうちの爽子たんは生●痛で倒れたり熱出して寝込んだりミニマム化したり黒猫に変身したり大変ですw




本編は追記から~。














風早と爽子は、夏休みを利用して地元の海に遊びに来ていた。
来年は受験生だし夏休みもきっと出かけたりできないだろうから、今年の夏休みは風早家でお泊まりなんてどう?と提案したのは風早だ。
爽子の両親に許しを請いに風早が黒沼家を訪れて、娘とその彼氏からのお願いを聞いた爽子父は、明らかに涙を浮かべながら口をパクパクして苦虫を噛み潰すような顔をしていたが、それを否める爽子母のさりげないフォローのおかげで、なんとか了承をもらって2人は大喜びしたのだった。




2人にとっては特別な思い出があるビーチの波打ち際に並んで座り、真夏の夜の静かな海の波打つ音を聞いていた。



「夜の海って、こんなに綺麗だったんだね…」


知らなかったよ、と月明かりに照らされながら微笑む爽子の横顔にぼんやりと見惚れながら、風早はこうして穏やかな時間を二人きりで過ごせる幸せを噛み締めていた。


「なんか飲み物でも買ってこようか?向こうに自販あったよね」


風早がふと立ち上がり、自分が行くと慌てて立ち上がった爽子をやんわりと止めて、少し離れたところで夜の暗闇のなかでボワリと浮かびあがる自販機を目指して歩いていった。

爽子はそれを申し訳なさそうに見送って、ふふっと思わずにやけてしまう頬の緩みを抑えきれずに、瞼をそっと閉じてふわふわとした気持ちと幸せを抱きしめた。


ザザ…と静かに響く涙の音を聞きながら、夜空に煌めくたくさんの星を見上げていると、ふと辺りの気温が下がったように、堪えきれずに身震いをする。


「……あれ、なんだろう…急に冷えてきたなぁ…」


爽子がノースリーブのワンピースの袖から覗く二の腕を擦っていると、急に周囲の空気が凍りつくような気配を感じた。


「……な、に……?」


得体の知れない恐怖を感じて、爽子は風早に助けを求めるように自販機の方を見たが、まだ風早が帰ってくる気配はない。


その間にも、なんともいえない空気の重さと肌寒さはどんどん増して行く。
いつからか、こめかみをじわじわと打つような強力な頭痛に襲われ始めた。


「……ぅ、あっ……」


視界が白い靄に包まれ、爽子はたまらずにぐったりと砂浜に倒れ込んでしまった。


「な、にこれ……あたま…、痛っ…!」


襲い来る頭痛は治まる気配がない。だんだんと意識もおぼろげになってくるなかで、いよいよ気絶しそうなその時、爽子は確かに闇夜に轟く不気味な声を耳にした。





『……ねぇ…幸せ……?』




とたんに強烈な金縛りに全身が縛られてしまう。

不気味な声を聞いた瞬間に、背後に佇む何者かの気配を爽子は確かに感じた。




『……憎いのよ……幸せな恋が…憎い……』




冷ややかな何者かの気配がすぐ耳元に感じられて、爽子は恐怖にぎゅっと瞼を閉じた。


その時、片耳が『ヒュッ』と音を立てて何かを吸い込むような感覚があった。


その妙に気味の悪い感覚を疑問に思いながら、とうとう爽子は薄めく意識を手放してしまった。












「―――ま……ろぬま……くろぬま!……っ爽子っ!!」



自販機で缶ジュースを二本買って、波打ち際に戻ってきた風早は、ぐったりと横たわる最愛の彼女の姿を捉えて頭が真っ白になった。

「……黒沼っ!!」


慌ててそばに駆け寄ると、意識を失った爽子は青白く血の気の引いた顔をしていた。
いつもなら淡い桃色に色づいているはずの形の良い唇は顔色と同じく真っ青になっていた。

体温の感じられない冷ややかな唇を優しく指で撫でて、風早は何度も「爽子」と彼女の名を呼び続けたが、爽子が目を覚ます気配はない。

途方に暮れそうになりながらも、ぐったりと力を失った爽子の身体をゆっくりと抱き起こして、とりあえず自宅に戻って柔らかいベッドに寝かせなければと思い至る。

軽い体重に少し驚きながらも、風早は落とさないようにしっかりと爽子の身体を抱き抱え、砂浜を離れて風早家に帰るべく足を速めた。


この橋を渡れば風早家が建つ住宅街に辿り着く。じわりと汗が滲む額をそのままに、風早は早く帰って爽子を寝かせてやらなければと、更に小走りで家を目指す。



ふと、腕の中の爽子の身体が微かに動いた気がして、風早は爽子の顔を覗き込んだ。

花の蕾が開くようにゆっくりと、爽子の瞼が開かれる。



「く、黒沼!」



ゆらゆらと不安定さを隠せない瞳でじっと見つめられたとき、漆黒の瞳の中に見慣れない光の筋が見えたような気がしたのは…気のせいだろうか。



風早の問いに、にこりと柔らかく微笑んで、爽子はすっと真っ白い手で風早の頬に触れた。

どこか妖艶な雰囲気を醸し出している爽子の眼差しに、少し狼狽えながら、風早はその熱い視線に捕らえられてしまった。


「……くろ…ぬま…?」



気づいた時には、爽子の柔らかな甘い唇が、風早の汗ばんだ唇にふわりと触れていた。

事態を把握した風早は、信じられない現実に目を見張った。

未だかつて爽子からキスをしてくれたことなど、一度もなかったのだから。


まるで夢幻のような事態に夢見心地な気分になりながら、風早は爽子からの口づけにしばし身を委ねていた。


それ故に、ふいに爽子の口角が上がり、くすりと妖しげな笑みを浮かべたのに彼が気付くことはなかった。

その微かな笑みは、黒沼爽子本人とは程遠い、なにかを企むような悪女の雰囲気を漂わせたものだったが、その笑みを目にした者は誰一人居なかったのだった。








つづく

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