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2010
0705
Mon
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【*桜花咲きそめにけり*】 *第八幕*

久しぶりの平安パロシリーズ更新です~。

くるみ出したはいいけど、キャラの立ち位置がまだイマイチ定まってませんw
さてどうしようw


本編は追記からどぞ。











「……爽子姫にお会いしたいんだけれど。いらっしゃるんでしょう?」


見知らぬどこぞの姫の、突然の訪問に、千鶴と綾音は訝しげに顔を見合わせた。


「…失礼ですが…胡桃沢、というと…?」

「ええ。胡桃沢家の大君の梅…と申します。風早家の翔太さまとは、許嫁の仲ですの」


くすりとどこか優越感を漂わせる笑みを見せて、梅は静かに微笑んだ。


「…はぁっ?許嫁ぇ!?」

千鶴が目を見開いて驚くのを、綾音が小さく否めた。



「…どうしたの?…誰か、お客様がいらっしゃったの?」


玄関の騒がしさを不審に思った爽子が、奥の方から顔を出した。


「姫さま…それが…」


綾音がどうすればいいやら解らない顔で途方に暮れている。


「…爽子姫でいらっしゃいますか?…はじめまして、わたくし胡桃沢家の大君で、梅と申します」


「……え、あ…はあ…どうも、はじめまして…」


「わたくし、風早家の翔太さまとは、許嫁の仲ですの。…そのことで、少しお話がしたいのだけれど…上がらせてもらってもいいかしら?」


翔太の名を聞いて、爽子はぴくりと身体を震わせて固まってしまった。




……許嫁…?

…翔太さま、…の…?





「……どうぞ…。御上がりください…」


小さく震えながら、爽子は俯いて梅を屋敷の中に通した。


爽子の了承を得た梅は、おじゃましますと言って後ろに従えていた女房たちも一緒に、屋敷に上がった。


爽子は千鶴と綾音に、お客様にお茶とお茶菓子をお出しするように伝え、奥の畳の間に梅を通した。


千鶴と綾音は台所でお茶の支度をしながら、こそこそと不安そうに会話を交わしている。



「あの、梅…って姫様…どういうつもりかな…?」


「さぁね…めんどくさいことにならなきゃいいけど…」


「風早の子息の許嫁、って…あれホントだと思う?」


「本人が言うんだから、本当なんでしょ。…まあ、ご子息様が了承しているとは思えないけど」


綾音が戸棚からお茶菓子を出して小鉢に添えて、千鶴が淹れたお茶の湯飲みを二つ、お盆に添えた。



「なにを言われようが、あの姫様はなんとかするわよ」



爽子さまは、芯の強いお方だから。



綾音はお盆を手に取って、ふっと笑みを漏らした。










「…さっそくだけど……翔太さまから、手を引いてくれないかしら?」


畳の間に向かい合わせに座り、梅は毅然とした態度で爽子を見据えた。


「わたくしと翔太さまは、正式に許嫁の仲なの。いずれは婚約することになるのよ」


「………、……」


爽子は何も言わずに、じっと梅を見つめている。



「……あなた、邪魔なのよ。どうせ翔太さまと結ばれることは無いのだから、さっさと身を引いてくださらない?」



それまでただ黙って梅の話を聞いていた爽子が、顔を上げて口を開いた。






「………それは、できません」





きっぱりと言い放った予想外の爽子の言葉に、梅は驚いた。




「……わたくしは…翔太さまを、心から愛しております」



「他の方から何を言われようと、あの方をお慕いするこの気持ちに、嘘をつくことはできません」



爽子は凛と背筋を伸ばして、狼狽える梅にしっかりとした口調で静かにそう告げた。




「……馬鹿なこと言わないで」



怒りで唇を震えさせながら、梅はすくっと立ち上がると、踵を返して襖に手を掛けた。



「……どうせ、あんたたちが結ばれることは無いわよ。無駄な足掻きはやめてよねっ」



苛立ちを隠せない口調でそう吐き捨てると、爽子を一瞥して梅は部屋を出ていった。


爽子は梅が出ていった部屋に一人座りながら、ぎゅっと胸に手を当てて瞳を瞑った。






(……自分の気持ちに…嘘は、つけないもの……)






襖の外の夕空は、いつのまにか曇り空になっており、ポツポツと通り雨が降るような、不穏な気配を漂わせていた。











第九幕につづく


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