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2010
0523
Sun
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【*桜花咲きそめにけり*】 *第五幕*

平安パロ五話目です。
そろそろ起承転結の転を書いていきたいんですが、どんな展開にしようか考え中ですw

翔太と爽子姫の恋もすんなり成就させたら面白くないですよね?w

ちょこちょこそのへんの話の流れも考えつつ…。


ではでは、本編は追記からどぞ~。











今日も春の陽気が暖かい、良い天気だった。
爽子は御簾越しにぽかぽかとした陽気を浴びながら、翔太のための単を身繕っていた。
心密かに好意を寄せる翔太の為に針を動かし、時たま御簾の向こうの八重桜を見上げては、初めて翔太と出逢った情景を思い出し、きゅんと胸をときめかせるのであった。


鼻歌混じりに針を動かしているうちに、ふと、遠くの方から馬の蹄が地面を軽快に蹴る音が聞こえた気がして、爽子は縫い物の手を止め、じっと耳を澄ませた。

その音は、確かに少しずつこちらに近づいてくる。爽子は高鳴る胸の鼓動を感じながら、ささっと素早く身だしなみを整えた。
やがて、御簾の向こうに見慣れた体格の影が映る。その人物は弾む息を調えながら、すっと御簾を押し上げて顔を覗かせた。


「今日も良い小春日和だね、爽子姫」

「おいでなさいませ、翔太さま」


蘇芳(すおう)色の衣を身に纏った翔太が現れると、まるでその場に爽やかな風が吹いたかのような、気持ちの良い空気が流れる。
夏の暖かな日だまりのような、そんな柔らかな空気を纏う翔太の傍にいるのが、爽子の最近のお気に入りの時間だった。


「なにを縫っていたの?」

「夏場に向けて、少し薄めの布で単を繕っておりました」

「ああ…ただでさえ着物は重ね着しなきゃならなくて暑いったらないものな。夏場は地獄だ」

「この布は、通気性に優れているので、あまり汗をかかずに済むかと思います」

「…うん、でも…」

「…どうかなさいましたか?」

「この刈安色は、爽子姫の感じじゃないな」

翔太が不思議そうに爽子の手にある縫いかけの単をつまんで、問いかける。
爽子が繕っていた単は、やわらかく落ち着いた黄の色をしている。
確かに、爽子が身に纏うことの多い淡い桜色や若葉色のものとはイメージが違うように思えた。


「あ、あの…これは、あなたさまの単でございます…」


爽子は少し恥ずかしそうに俯いて、砂糖菓子のような白い頬をぽっと赤く染めた。


「…えっ?俺に?」

「す、すみません…差し出がましいかとは思ったのですが…」

「……ほんとに?」

「……はい…。ちょうど数日前に刈安色の原料が手に入って…翔太さまに似合いそうなお色だったので、つい……っ」


みるみるうちに、額の先から首の付け根まで林檎のように赤く染めた爽子は、膝の上で両手をもじもじさせながらボソボソと、
「この刈安の単を身に纏った翔太さまのお姿が頭に浮かんだら、もう我慢できなくて…」とか、
「勝手なことをして申し訳ございません……あっ!ちなみに呪いとかは込めてませんので悪しからず…」
などと言い訳のように呟いて、不安そうにちらりと上目遣いで翔太の反応を伺った。


爽子からの突然の贈り物に、翔太はじわじわと胸に沸き上がる幸福感を噛み締めていた。
先ほどから黙ったままの翔太を不思議に思い、爽子がおずおずと声を掛ける。


「あのぅ…しょ、翔太さま……?」

「…ほんとに、この単…俺のために作ってくれたの?」

「はいっ…あっでも、もしいらなかったら捨ててしまわれてもかまいませ―――」


…んので、と続くはずだった爽子の言葉は、いつのまにか至近距離にあった翔太の胸の中で掻き消されてしまった。

さっきまで確かに爽子の隣にいたはずの翔太は、あっという間にその距離を縮めて、爽子の身体を勢い良く掻き抱いた。

翔太に抱きしめられた瞬間に、ふわりと鼻をかすめた匂いは、翔太が焚いている香の匂いだろうか。
少し渋い甘さがあるが、どこかお日さまの陽気が漂うような柔らかい優しい香りだ。
爽子はその香りにほっとして、安心したようにゆっくりと瞼を閉じた。

翔太の背中にそろそろと控えめに両腕をまわして、やんわりと抱きしめ返した。
すると、翔太は更に爽子を抱きしめる腕の力を強めて、片手を爽子の頭の裏に添えて、ぎゅうっと自分の座骨のあたりに顔を押し寄せた。


「……しょ、しょ、しょう、た、さま……っ」


ひっくり返ったような爽子の声。
ふんわりと香る爽子の髪の香り。甘く優しい、しなやかな桜の香りがする。

どくん、どくん、と大きな胸の鼓動の音が聞こえていたが、なんせこれだけ密着していたので、どちらが発するものなのか解らなかった。


「…爽子姫…」

「…は、はいっ…?」

「――ありがとう。俺、ほんとに…心から、嬉しい」

爽子の両肩にそっと翔太の手が添えられて、ゆっくりと顔を離す。
爽子がそっと翔太の顔を見上げると、翔太の澄んだ瞳にはうっすらと涙が浮かんでいた。


「…えっ…あ、も、貰っていただけるのですか…!?」

「あったりまえじゃん!ていうか他の誰にもやんない!」


いたずらっぽい笑みを浮かべて、翔太が爽子のそばに落ちていた縫いかけの単を手に取って、するりと袖を通した。


「………似合う…!?」


嬉しそうに、にひっと笑って、翔太は爽子に向き直った。

乱雑に着こなしていた単の襟を優しく正してやりながら、爽子は嬉しさに胸を弾ませる。

そして、花の蕾がふわりと開くような柔らかい笑顔を浮かべて、翔太を見上げた。


「…とても、お似合いです。翔太さま…!」


かわいらしい爽子の微笑みに、翔太は完全に心を盗まれてしまい、しばらく間抜けな顔でぼけっと爽子に見惚れてしまったことは、内緒の話である。









*第六幕につづく*



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comment
まー #Knya96cQ
こんにちは。
いつもおはなし拝見しております。
風早は我慢できなくなるとやっぱり抱きしめちゃうんですね!
ふたりがラブラブになってきて続きがすごく楽しみです!
ふたりともかわいい~(>_<)
それでは失礼します。
2010/05/23(日) 21:36:11 | URL | edit
コメントありがとうございます♪
ぴろ #-


>>まーさん


こんばんは!コメントありがとうございます♪

ほんと、不定期更新にも程がある感じの亀更新っぷりでスミマセン…!!
楽しみにしていただいているなんて、嬉しいです~(*´∇`*)

翔太さま、パラレルの世界でもお触り自重しませんよww
最近の本誌での風早さんはしょっちゅう爽たんのこと抱きしめてますからねw

これから、翔太さまと爽子姫の恋に少しの陰りが見えてきてしまう展開を用意しています…(`・ω・)+

これからも更新がんばりますね…!
ではでは、また遊びにきてやってくださいませ♪

2010/05/23(日) 22:07:23 | URL | edit
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