FC2ブログ
--
----
--
tb* -
com*-

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2010
0131
Sun
tb* -
com*0

【*桜花咲きそめにけり*】 第一幕

★注意★
こちらの話は、風爽の平安パロディ話になります。

パロディ設定が受け入れられない方はスルーしてくださいませ…。


完全な見切り発車で始めてしまいましたが、
結末など諸々、まだなんにも決めてませんw

ま、なるようになるだろ精神ですw



ではでは、本編は追記からどうぞ。









桜の花が舞い散る初春の頃。
霞桜が立ち並ぶ並木道を、単を着た若い青年が馬に乗りながら見上げていた。


「…きれいだな」


ふと口元を綻ばせて呟くと、馬の手綱を引いて、再び石畳の道を走り出した。


薄桃色の桜を観て、荒んでいた心が少し癒された気がした。

この青年、名を風早翔太といい、たった今、父親に見合い話を持ち掛けられ、大変憤慨して屋敷を飛び出してきたところだった。

十七になったばかりの自分に、見合い話が舞い込むこともそうおかしくはない。
知り合いの同い年の連中も、次々と嫁を貰っているという話だ。

しかし、翔太は父親の勧めに素直に頷くことがどうにも嫌でたまらなかった。

父親は大変地位の高い人物だとこのあたりでは有名で、翔太はそんな父の存在に常日頃からうんざりしていた。

そんな父が、息子である自分に縁談を持ってきた。
目的はわかっている。相手先の娘は、父と同じ派閥のお偉いさんの娘であることから、自分は父の権力と地位を上げることに利用されようとしているのだと、すぐに合点がいった。

そんな父の思惑渦巻く縁談に素直に応じるなど、翔太はまっぴらごめんだったのだ。


『自分の妻になるひとくらい、自分で探します!会ったこともないひとと結婚するなんて、俺は嫌です!』


屋敷を出てくる時に、捨て台詞として吐き捨ててきた言葉だ。

今時、縁談ま無しに花嫁を探す奴も珍しいんだろうな、と翔太は愛馬を走らせながら物思いに耽る。

だけど、素敵な恋をして、自らの眼で惚れ込んだ女性と結婚したいという自分の主張は、間違っていないはずだ。

そんなことをつらつらと考えていたら、今まで足を踏み入れたことのない通りに出ていた。

どこまでも長い塀が続いていることから、大きな屋敷があることは推測できた。


その時、翔太の耳が小さな猫の鳴き声を捉えた。

猫の姿を探せば、塀の上をちょこちょこと歩く、一匹の黒猫が目に入った。

首に小さな鈴を付けたその猫は、ニャアンと一声鳴いたかと思うと、まるで翔太を導きだすかのように、尻尾をくるんと巻いて軽やかな足取りで塀の向こうに姿を消した。


黒猫の挙動がどうにも気になった翔太は、馬を近くの木にくくりつけ、黒猫の後を追った。

ちょうど翔太の背と同じくらいの高さの塀の向こうを覗き込んで、翔太は目を見張った。

大きな八重桜の木の下に、綺麗な漆黒の長い髪を靡かせる少女の姿があった。

白と桃色の桜襲の衣が、舞い散る桜の花弁の隙間からちらりと覗いた。

瞬間、強い春風が吹き荒れて、桜襲の少女の黒髪をぶわりと舞い上げる。


少女が慌てて暴れる髪を抑えようとこめかみに手をやったところで、じっと少女を見つめてしまっていた翔太と目が合った。

黒目がちで、少々切れ長の瞳が、ゆっくりと翔太の姿を捉えた。

そして、少女は大きく目を見開き、その砂糖菓子のような純白の頬をぱっと赤く染めた。


「……あっ……」


驚いたように口元に手を当て、少女はどうしたらいいのかわからない様子で、こちらを伺っていた。


だけれど肝心の翔太はというと、それどころではない心境だった。


桜の雨が降るなかで、振り返った少女の可憐な姿。

綺麗な長い黒髪。印象的な切れ長の瞳。
纏った桃色の花を描いた桜襲がよく似合う。

聞こえた小さな声は、鈴のように耳馴染みの良い音色をしていた。

その音色を奏でた小さな唇は、薄紅色で可愛らしい。

翔太は、一瞬で桜の木の下の少女に全てを囚われてしまった。



この瞬間に、翔太は生まれてはじめての恋に落ちてしまったのだった。








*第二幕につづく*

スポンサーサイト
comment
URL:
Comment:
Pass:
Secret: 管理者にだけ表示を許可する
 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。