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2010
0130
Sat
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【 君の声を待つ夜 】


なんだか最近お話の神がすんなり降ってきてくれるので、
出し惜しみせずにバンバンアップしていこうと思いますw


うちは何故か新婚風爽が多いので、たまには高校生verを書いてみる…。


本編は追記からどぞ~。











机の上の携帯が着信を知らせたのは、晩ごはんが終わってベッドで寝転がりながら漫画を眺めていた時だった。


……この着信音は…黒沼?

黒沼から電話なんて珍しいな。なにか急用かな?

少し不審に思いながら電話に出ると、携帯の向こうからはどこかか細く熱っぽい声が聞こえてきた。


『……かぜはや、くん……』

「もしもし、黒沼?どうしたの?なんかあった?」

『かぜは、…く…たすけ、て…』

「…え!?なに!?ちょ、黒沼!?」

『…ねつ、が…でて…お父さんとお母さんもいなくて…ひと、り…ぼっち…で…さみしくて……』

次第に黒沼の声は涙声と混ざっていく。
いてもたってもいられなくて、気づいたら片手でコートを掴んで玄関にダッシュしていた。


「黒沼!今すぐそっち行くから、なるべくあったかい格好して待ってて!」







チャイムを押して玄関のドアが開くのを待っていると、しばらくしてドアがぎこちなく開いた。
中からひょこんと黒沼の小さな頭が見えて、俺はドアをぐいと開けて中に入る。

「おじゃまします!黒沼、大丈夫?」

「かぜはやくん…きてくれてありがとう…」

「あったりまえでしょ!俺は黒沼の彼氏なんだから、もっと頼っていいんだからね!」

黒沼は熱に浮かされて赤い顔をもっと赤くして、「か、かれし…」と恥ずかしそうに呟いていた。…今更じゃね?



「ここ来る途中にコンビニでポカリと熱冷まシート買ってきたから、今ポカリあっためるね。黒沼、コレおでこに貼って、先に部屋に行って寝てな」

言いながら、黒沼の熱いおでこにぺたんと熱冷ましシートを貼ってやる。

「ひゃ…!な、なんだかなにからなにまで…ありがとう、かぜはやくん」


熱のせいか、口調がほんの少し舌ったらずになってる黒沼。
やばい…黒沼が弱ってるときに不謹慎だけど…かなりカワイイ。

今すぐ抱きしめたい衝動をなんとか堪えて、黒沼の弱々しい背中が階段を登っていくのを見送った。









「黒沼、ポカリあっためてきたよ。飲める?」

黒沼の部屋に入って、敷き布団で横になっている黒沼の枕元におぼんを置く。
温めたポカリが入ったマグカップと、居間の棚から勝手に拝借した風邪薬の錠剤を乗せてある。


「……ん……」

「さっきより辛そうだね。スプーン持ってきたから、飲ませてあげる」


いつもならここで真っ赤になって遠慮する黒沼だけど、今日は特別。
ぼんやり赤らんだ顔で素直にこくんと頷いて、俺の「あーん」に従い小さな口を開く。

マグの中のポカリをスプーンで掬って、ふうふうしてから黒沼の口に運んだ。

ごくんと飲み込んで、黒沼はほんのり微笑んで「おいしい」と言った。
…よかった。笑ってくれた。


「風邪薬も持ってきたから、飲まないとね。それからしばらく寝てたほうがいいよ」

「かぜはやくん…かえっちゃうの?」

うっすら潤んだ瞳が、不安げに俺をじっと見つめている。

「う、うん…黒沼が寝たら…」

「…いや…」

「…え?」

「…そんなの…やだよう…」


熱に侵された黒沼は、いつもの五割増しくらい積極的だ。
ぐったりと火照った身体を寄せてきて、ぴっとりと俺に抱き付くと、背中にぎゅうっと細い両腕をまわしてきた。


「…く、黒沼…?」

「かぜはやくんがかえっちゃったら…わたし、さみしい…」


ふぇえん、ととうとう泣き出してしまった黒沼は、まるで小さな子供みたいに俺の胸で泣きじゃくって、
しばらくすると、泣き疲れたのかそのままスヤスヤと眠ってしまった。


俺は黒沼が起こさないようにそっと、小さな身体を抱いて布団に寝かせる。

黒沼の要望通り、黒沼の小さな白い掌をぎゅっと握って、そのまま黒沼の横で寝転がった。

なんだかんだで、時計の針はもう深夜の一時を指していて、さすがに俺も眠気には勝てそうもなかった。


ぼんやりと霞んでいく頭の中で、このまま朝を迎えて、黒沼のご両親に見つかったらえらいことになりそうだな、なんて考えながら…。


ゆっくりと、重たい瞼を下ろした。

最後に見えたのは、彼女の安らかな寝顔だった。


明日には、元気な彼女の声が聞けますように…。








おわり


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