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2009
1210
Thu
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【 春、桜並木にて 】

久々に捏造次世代話です。

今回の主人公は風爽の娘であり快人くんの妹の「美羽」(みう)ちゃんです。

快人くんより二歳年下の設定なので、快人くん高3、美羽ちゃん高1の時のお話ですね。

くるみちゃんの息子の「柳太」(りゅうた)くんも出てきちゃったり。



ではでは、本編は追記からどーぞ★











季節は春。桜の花びらがヒラヒラと舞い散る通学路を歩きながら、北幌高校の新入生、風早美羽は途方に暮れていた。


「どうしよう…このままじゃ遅刻しちゃうよ…」


朝、ちゃんとお兄ちゃんに道順を聞いておけばよかった…。
今さら後悔しても後の祭り。
左手の腕時計で時刻を確認すれば、入学式が始まるまであと10分ほど。

「…もうっ。どっち曲がればいいの~?」

ツインテールに結った黒髪を振りながら、キョロキョロと辺りを見回す。
この道はさっきも通った道だ。曲がる道を間違えたのだろうか?



「……あの、」


その時、後ろから男子生徒の声がかかった。

美羽が振り返ると、同じ北幌高校の制服を身に纏い、ふわふわした茶髪のどこか可愛らしい顔立ちをした男子生徒が、曲がり角を指差していた。


「北幌高校だったら、こっちだよ。右…」


男子生徒が指差した道は、先ほど美羽が通った道の逆方向の道だった。
やはり、先ほどは曲がる道を間違えてしまっていたらしい。


…なんて親切なひと…!


感激した美羽は、ふわりと微笑みながら礼を述べた。


「……ありがとう…!」



その笑顔を見た途端、男子生徒はほんのり頬を赤らめて胸元を押さえていたのだか、美羽はそんなことには気付くことなく、教えてもらった道を駆け抜けて北幌高校へと足をはやめたのだった。






* * * * *




「…道に迷ったぁ?」

新入生のクラスに妹の様子を見に来た、美羽の兄である快人は、恥ずかしそうに頬を赤らめる妹の顔を見て、きょとんと目を見張った。

「だってお前、入試の時に一度来てんじゃん」

「入試の時は、あいねと喋りながら歩いてたから道順を覚えてなかったんだもん…」

ちなみに「あいね」とは、三浦健人とあやねの娘の「ねね」の妹である。
美羽と同じく、今年北幌高校に入学する新入生である。

「でもね、途中で親切な男の子が道教えてくれて…!」

「……男?」


妹に関しては、かなり過保護なお兄ちゃんである。


「…それ、どこのどいつ?」


一応、笑顔を取り繕ってはいるが、目が笑っていない。


「それがね、同じクラスだったの!――あ、胡桃沢くんっ」


快人の向こう側に見知った顔を見つけたらしく、美羽は満面の笑みで手を振った。


「…風早さん?」

「お兄ちゃん、この人!道教えてくれた胡桃沢くん!」

まだ事態を掴めていないらしい茶髪の男子生徒は、美羽と快人の顔を交互に見つめている。

「あ、どーも…美羽のにーちゃんです」

「あ、はい…胡桃沢柳太です。よろしくお願いします」

二人は握手を交わしたが、快人の目が笑っていない笑顔は相変わらずである。

「あ、そうだ風早さん、部活どこに入るか決めた?」
「あ、ううん。まだ…胡桃沢くんは?」

「俺は園芸部。花いじり好きなんだ」

「へえ…!胡桃沢くん、おっとりしてるもんねー」

完全に蚊帳の外になってしまった快人は、仲良さげに談笑を続ける愛しの妹と見知らぬ男子生徒を訝しげに見つめて、これは帰ってから同じく娘を溺愛している父親に報告しなければと心に決めた。

「俺、このあと見学に行くんだけど、一緒に行く?」

「うんっ行く!」

ニコニコと嬉しそうに柳太に笑いかける美羽を、面白くなさそうに見つめる快人なのであった。





* * * * *



「「…胡桃沢?」」


家族揃っての夕飯時、両親に入学式の様子を報告していた美羽は、桜並木で出会った男子生徒の名を上げると、その苗字を聞いた途端、両親はきょとんと目を丸くした。

「…もしかして、くるみちゃんの息子くんかな?」

夫の茶碗におかわりのご飯をついでいた爽子が、翔太に茶碗を手渡しながら問いかける。

「…もしかしたら、そうかもな」

茶碗を受け取り、おかずの唐揚げを箸でつつきながら、翔太も思案顔で返す。

「確か、美羽と同い年の息子くんがいるって、聞いたことあったような…」

炊飯器の蓋を閉めて、ダイニングテーブルにつくと、爽子もおかずの唐揚げに手を伸ばした。

「…くるみちゃん、って…おとーさんとおかーさんの知り合い?」

美羽が唐揚げを口に頬張り、モゴモゴさせながら問う。

「うん。お母さんたちの同級生でね…お母さんの、ライバルだったの」

爽子が昔を懐かしむように目を細めて、ちらりと隣の翔太に目線をやって、微笑んだ。

「ライバル?なんの?」

快人が不思議そうに爽子に聞き返したが、爽子は相変わらず微笑んで、

「ふふふ、ないしょ」

と答えただけだった。





* * * * *



「おはよう、胡桃沢くん!」

朝の通学路、幼なじみのあいねと登校していた美羽は、前方に見知ったふわふわの茶髪頭を見かけて、ブラザーの肩をぽんと叩いた。

「ああ、風早さん。おはよう」

振り向いた柳太はほんのり頬を赤く染めて、にこりと微笑んだ。

「あのね、私、園芸部に入部することにしたよ!」

「ほんと?やったあ!」

柳太の顔がキラキラと輝いて、心底嬉しそうに綻ぶ。

「うちのお母さんが北幌にいたときも、花壇に毎年花を植えてたんだって。だから、私もやってみようかなって」

今もね、うちの庭にいっぱい花を植えてて、すっごく綺麗なんだよ!

嬉しそうにニコニコ笑いながら話す美羽を、愛しそうに見つめる柳太は、美羽の歩く歩幅に合わせて、少し歩くスピードを遅くした。

「確か胡桃沢くんのお母さんも、北幌出身なんだよね?」

「うん、そうみたいだよ」

「お父さんとお母さんの同級生だったみたい!胡桃沢くんのお母さん、くるみちゃんって呼ばれてたんだね」

「へえ、それは初めて聞いた。母さん、あんまり高校時代のこと話したがらないから」

「ふーん…」

「でも、なんか納得。母さん、前に自分の名前が好きじゃないって言ってたし」

だから「くるみ」だったのかも。と、柳太が苦笑いする。


「そっかあ…」

「でも、なんだか不思議だね。俺たち、お互いの両親が通ってた高校に通うんだ」

柳太が目の前の校舎を見上げて、感慨深く呟いた。


「楽しい学校生活になるといいね!」


胡桃沢くん、これからよろしくね!


隣の柳太を見上げて微笑んだ美羽に、柳太も笑って「こちらこそ、よろしく」と優しく笑った。









おわり

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