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2009
1025
Sun
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【 秋の夜長に 】


さきほど某スレに投下してきたばかりの出来立てホヤホヤのお話です。

スプリング・ハズ・カムシリーズの続編で、風爽未来話です。

これまで短編に何回か出てきた風早と爽子の一人息子、快人くんが出てきます。
快人くんが五歳の頃の、ある日の風早さんちのほのぼの話です。



では、本編は追記からどうぞー。↓






「ぼく、きょうはおかーさんといっしょにねる!」


パジャマ姿の息子の突然の宣言に、風早と爽子はきょとんと目を丸くした。


「…どーした、急に」


驚く風早を尻目に、どこかムスっとした面持ちで母親の膝に飛び乗り、父親をキッと睨みつけた少年の名は快人という。風早と爽子の一人息子で、五歳になったばかりのわんぱく盛りだ。


「だって、ねるときはおとーさんいっつもおかーさんのことひとりじめしてんだもん。ずるいっ」


「おまえは自分のベッドがあるだろ」


「やだ。おかーさんとねるー!」


両足をバタバタさせながら、むぎゅうと爽子の柔らかい胸に顔を押し付けた快人は、てこでも動かないぞとばかりに爽子にぴったりと抱きついて離れようとしない。

観念した爽子が、「じゃあ、今日は三人で川の字になって寝ようか」と提案すると、快人はぱぁっと顔を輝かせて大喜びし、その一方でどこか納得いかなそうに眉をひそめた風早は、妻と息子に連れられて歯磨きをしに洗面所に向かった。


三人で歯磨きを済まして、風早と爽子の寝室に向かう。ダブルベッドに飛び乗りぴょんぴょんと飛んで遊ぶ快人をたしなめて、爽子は快人の部屋から持ってきた小さい枕を、ふたつ並べられた夫婦の枕の間に置いた。


「快くん、早く寝ないと明日幼稚園に遅れちゃうよ。電気消すから、布団に入ってね」


はぁい、と元気よく答えて、羽毛布団に潜り込んだ快人は、隣に寝転んだ爽子にぴったりと身を寄せた。


「おかーさん、あったかい」


ニコニコと嬉しそうに自分を見上げてくる息子をいとおしげに見つめて、爽子はその小さな頭を優しく撫でた。
少し癖のある黒髪は、隣で膨れ面のまま寝転がる夫にそっくりだ。

電気が消えて、寝室が漆黒の闇に包まれる。
しばらくしてから、爽子の腕の中から規則正しい寝息が聞こえてきた。
寝入った快人を起こさないようにそおっと仰向けに寝かせて、冷気が入り込まないようにしっかりと掛け布団をかけてやる。

ふと、布団にかけた右手が何かに捕まれて、爽子は小さく悲鳴をあげた。


「……翔太くん?」


暗闇に慣れてきた目が、すぐそこで頬を膨らませたままの風早の顔を捉えた。


「…まだ寝てなかったの?」


「…寝れないよ。爽子がとなりにいないと」


冗談なのか本気なのかわからない口調で、風早は爽子の手を握ったまま呟く。


「爽子をひとりじめできんの、この時間くらいなのにな」


日中はほとんど快人が爽子にべったりなため、快人が別室で就寝しているこの時間こそが、いつもならば夫婦水入らずの時間だというのに。


「……もしかして、ヤキモチ焼いてるの?」


くすくす、と笑いながら爽子がきゅっと風早に握られた手に力を込めた。


「……そりゃ、焼くよ。快人だって男には変わりないんだから」


俺以外の男に俺の爽子をひとりじめされて、面白くないわけがないよ。


爽子がゆっくりと身体を起こす気配がした。すっかり夢の中の快人を起こさないように、少しずつ風早の方に顔を寄せる。

横を向いて寝ていた風早の頬に、柔らかい温もりが触れたのは一瞬のことだった。


「…今日は、これで我慢してね」


耳元でそう囁かれて、愛しさがぶわりと胸いっぱいに広がった。

繋がれたままの手のひらにぎゅっと力を込めて、恥ずかしそうに布団に顔を隠してしまった爽子に聞こえるようにそっと呟く。





「……明日は、寝かさないからね?」










おわり

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